『ちっちゃいもり 』は、飽き性な性格の私、リトルフォレスト が今好きなもの、ちょっと前はもっと好きだったもの、について自分の話をしながらつらつらと書いていく不定期連載です。第1回はネット上の私の自己紹介と、タイムラインの話をしています。
1度、0にして
私はもともと、「リトルフォレスト」というラジオネームを持っており(今も持っているが)、Twitterのいわゆるラジオリスナー界隈の中にいた。
RN:リトルフォレスト であった2019〜2020年頃は、幸運にもオードリーのオールナイトニッポンという番組で度々メールを採用してもらい、「#annkw」でつぶやく度に増えていったフォロワー数に応じて、自分が「何者か」になれているような感覚をおぼえた。
しかし、次第に深夜ラジオとその周辺を取り巻くエンタメへの熱量が自分自身で生み出すものではなくなり、ただ周りの熱量の流れに身を任せているような状態になっていってしまった(好きじゃなくなった訳ではなく、どうしようもなく飽き性な自分の問題)。
そんな心の動きもあり、ちょうど去年の今頃、思い切ってラジオネームのTwitterアカウントを消して、新しく自分が能動的に惹かれるものを追っていけるように今のアカウント(@chicchaimori)を作った。この瞬間から「リトルフォレスト」は特別なラジオネームからただのハンドルネームになり、私は私のいるネット上において本当に何者でもなくなった。
が、と同時に、自分を取り巻いていた、大きく、なかなかに強度のあったフィルターバブルが弾けた気がした。
今のわたしは・・・
選択してひとつのフィルターバブル(ファンダムとも捉えられる)の中に居ることに窮屈さは感じない。むしろ居心地がいい。ただ、ひとつのフィルターバブルの中で価値観を留めることは、それだけがその場所での、そして私(あなた)にとっての正しさとなり得るので、怖い。
実際、’’ラジオリスナー’’としての意見やものの見方しか持っていなかった「リトルフォレスト」の頃には、当時大きく問題になった岡村隆史ANNでの不適切発言の件を一面的にしか見ることができず、「’’好き’’が侵されている」→「岡村さん、批判に負けず頑張れ」と、単純な思考しか生まれなかった。あの頃、私を取り巻いていたフィルターバブルは、外からやってくる「声」の正しさを通さず、その攻撃性だけを掬いとっていたように思える。結果、問題の本質を見ようとしないまま、残ったのは’’侵されている’’感覚だけであり、その感覚を持った私たちの連帯が、誰かを侵している可能性があるということを想像すらしなかった。
今、私のアカウントのTLでは、誰かが真空ジェシカやカナメストーンの魅力に触れていて、誰かが今週の新譜を齧るように聴き、誰かが私の中に流れているクィアネスを照らすような言葉を流している。
ここもまた大きなフィルターバブルの中なのかもしれない。しかし、少なくとも上の’’誰か’’たちは私のTL以外では合間見えず(’’同じ’’と思っていた「深夜ラジオ好き」と「お笑い好き」も全然違う場所にいたので、おそらく...)、それぞれが選んだフィルターバブルの中で、それぞれの価値観を育てている。だからこそ、それらが共存する場所では、たくさんの誰かが肯定している出来事にも、鋭く正しい目を持って批判の声を上げている誰かがいる。私が思い切って一つのフィルターバブルから抜けた先では、そのような視点・思考の広がりがあった。
このように、(感覚的には)自分が居るフィルターバブルを広げるというより’’増やす’’ことで、一度立ち止まって自分の価値観の誠実さ、加害性、正しさ、間違いを見つめ直せる機会が生まれていくと思っている。
今の私が何の界隈にいるのか、正直自分でも分からない。何かの界隈にいて、その何かの中での振る舞いを磨けば何者かになれるかもしれない。
でも、今はとにかく、それぞれが交わらないフィルターバブルに居る色々な人の考えや趣味、存在を確認しながら、ネット上の「何者でもない何者か」でありたい。
(『NANIMONO - Danny L Harle remix』 ~~♪♩♬)
(これから更新していく記事では、ウェブ版『あの日の交差点』のコンセプトに甘える形で、私の居る場所でどんな面白いことが見えているのか、どんな音楽が鳴っているのか、そしてそこに居る私自身はどう考えているのかを楽しく記録していけたらと思っています。)
よかったら見てね
自己紹介的な初回なので、最後に私が今後も紹介していくだろう今惹かれているお笑い、音楽の一部を貼り付けます。(自分の好きなものを誰かと共有するのは(たまに暴力的かもしれないけど)とても好きです)
【鮮やかすぎる流れが生まれている大喜利】
【強烈に生と死とノスタルジーを刺激するボカロ】
リトルフォレスト 出身:沖縄県 好きな色:全色 好きな国:なし 好きな死因:老衰・懐かし死